私は、昔から『良い子』だった。よく、勉強が好きなんだねって、言われたわ。 そういうわけじゃないの。まじめだとか、勤勉だとか、周囲の私に対する評価は、そんなものばかりだけど。結局、他に何も、する事がない…だけ。 悪い事をしなかったら、『良い子』に…なっちゃただけ…なの。 だから、悪い事をしてみようって、思ったの。 罪悪感なんて、感じなかった…わ。 最初は…ちょっと恐かったけど。でも、始めてみたら、悪い事が…本当に悪いって、思わなかった。…良い事が、本当に良いっていうのも、わからなかった。私にとっては、どっちも、同じ事…だったの。 でも、悪い事って、何か新鮮だったな。 悪い事が、私の中の何かを壊すのも、快感だった…の。