私は元々男が嫌いだった。バカで、情けなくて、頭が悪い。ウザいったら、ありゃあしないね。 中学に入って、下級生の女の子に告白されたんだよ。小柄で可愛らしい、髪の長い子だったねぇ。子犬みたいに大きな瞳が可愛くって…好きだって、思ったんだよ。 彼女と別れたのは、真夏の暑い最中だったよ。 病院の窓から見える空はとても高くて、傷だらけの彼女の体を吸い込んでしまそうに青かったのを覚えてる。そして、私が目を離した隙に、本当に彼女が空へと飛び出してしまったのも…。その子が病院にいたのは、男に乱暴されたせいだったから。 赴任した学園で、彼女にそっくりな少女を見つけたんだよ。私によく懐いてくれた。愛らしい中身まで、彼女と一緒だったねぇ。その子は、いつもどこか寂しそうで…守ってあげたいって、思ったんだよ。 今度こそ。